ついに癌の宣告か?
左手の手の平に黒子(ほくろ)のような異物ができ、心なしか日ごとに大きくなっていくような気がする。触るとかすかに痛むこともあり、地元の整形外科医院へ主治医の紹介状を持って訪れたのが三週間前。
「どうしてもっと早く来なかったんだ」
患部を一瞥したとたんに発せられた、渋面のひと言のあとに、担当医はさらに驚くような診断結果を告知した。
「手の平の黒子は必ず皮膚ガンに進行する。出来たらすぐにとらなければ重大な結果を招きかねないものだ」
「こんなに大きくなるまで放っておいて、悪い予感がする」
「ともかく根こそぎ切除して、患部を病理検査に出す。すべてはその結果を見てからだ」
というわけで、一週間後に手術。
血液さらさらのクスリを常用する身としては、血が止まらなくなったらどうしようなどと要らぬ心配もしたが、何はともあれ無事にオペは終了。
何度か消毒治療に通ったあと、今日、三針縫った傷跡を抜糸。
その際、病理検査の結果を厳かに告げられたというわけだ。
「良性でした。特に心配することはないから、もうしばらく治療に励んでください」
何だよ、さんざん脅かしておいて。
最近、娘の友人がほかならぬ皮膚ガンで早世したばかりで、楽観できないぞと、慢性のB型肝炎に狭心症、さらにガンまで抱えたんじゃシャレにならないよなと、いざと言う場合の覚悟を決めていたのに。
とそんな次第で、ともかくまあ何事もなくひと安心。
という、ここ十数日間のお笑いではあった……。
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